富山視察
~富山市で学ぶ地域経済活性化と人口流出防止の取組み~
2025.02.18~2025.02.20

視察テーマ:富山市で学ぶ地域経済活性化と人口流出防止の取組み
富山市の基本情報:
・人口:約40万人(長崎市:約39万人)
・面積:約1,241 km²(長崎市:約406 km²)
富山市が実現したコンパクトシティとは
富山市は公共交通を活性化し、その沿線に居住、商業、行政、文化機能を集める拠点集中型の都市構造を目指しています。鉄道やバスなどを「串」で結び、沿線に「お団子」のように機能を集約する方式です。
実現のための3つのキーワード:
• 公共交通の活性化
• 沿線への居住促進
• 中心市街地の活性化
進め方:
• 都市縮小時は規制ではなく誘導的アプローチが効果的。
• 都心部の魅力を高め、まちなか居住を促進。
市民には「まちなか居住」と「郊外居住」の選択肢を提供し、都心選択者を増加させることを目指しています。
公共交通を活用し、徒歩圏内に生活機能を集積。地域拠点の整備を進め、全市的にコンパクトなまちづくりを実現しています。
セミナー:「コンパクトシティ戦略による富山型都市経営の構築」受講の様子
なぜ富山には上場企業が多い?
富山県に上場企業が多い理由は、地域の経済環境や企業文化に深く関わっていると考えられますが、今回の視察では、朝日印刷㈱を訪問し、その理由の本質を探りました。
朝日印刷㈱は、富山市に本社を構える包装資材の製造・販売を専門とする企業です。創業は1872年(明治5年)で、1946年(昭和21年)に法人化されました。主に医薬品や化粧品向けのパッケージ分野で国内シェアトップを誇ります。(ドラッグストアに並ぶ薬の2つに1つ1が当社製のパッケージのイメージ)
■ 資本金22億円、売上高403億円、従業員数1,690名(いずれも連結、2023年3月期)
新卒従業員の確保:
上場により、企業の知名度が高まり、社会的信用が向上し、新卒採用活動において有利になります。優秀な人材を確保しやすくなります。地方では、安定した雇用環境を提供できる企業に魅力を感じる新卒者が多いようです。
上場に挑戦する機運が高い:
富山県の企業は、地域経済の活性化を目指して上場を目指す動きが高まっています。上場を果たすことで企業としての成長が加速するだけでなく、地域全体の経済にも貢献するという意識が強いようです。
メインバンクが上場を後押し:
富山県の金融機関は、地域企業の成長を支援する役割の一つとして上場企業を支援することを位置付けており、上場に向けた流れが作られやすいようです。また、上場プロセスに関するノウハウや専門的な人材が蓄積されています。
取締役副社長 広田 氏が長崎側の質問に懇切丁寧に回答
雪積る工場前で記念写真
富山経済同友会との意見交換会
富山経済同友会には、約430社から約450名の経済人(企業経営者)が在籍。
長崎、富山の経済人トップ同士間で、闊達な意見交換が行われた。
料亭松月(富山市岩瀬港町)にて