ソニー長崎TEC・ウラノ長崎工場等視察
2024.11.14
視察日:2024年11月14日
参加者数:19名
新産業創造委員会(平家達史 委員長)は、「長崎でしかできない、長崎でやるべき産業」の創出を目指し、専門家による勉強会や関係機関の現地視察を行っている。今回は、高度な製造技術を核とする産業振興と地域活性化を進める長崎県央地区を視察した。
1. ソニー長崎TEC(諫早市津久葉町)
視察した工場棟Fab-5は、ソニーの最新鋭工場であり、ここではCMOSイメージセンサーが生産されている。
CMOSイメージセンサーは、デジタルカメラやスマートフォンなどに広く用いられており、高速な画像処理を可能にする技術が特徴。格子状のフォトダイオードにスイッチが設けられ、1画素ごとの読み出しを実現している。Fab-5は、こうした高性能センサーの需要増加に対応する重要かつ最新鋭の生産拠点である。
2. 京セラ諫早工場建設現場(諫早市小栗地区 南諫早産業団地)
2026年度の開設を目指す京セラの新工場では、半導体製造装置用のファインセラミック部品や半導体パッケージの生産が予定されている。
ファインセラミック技術は、高い耐熱性や精密性が求められる半導体製造工程において重要であり、京セラはこの新工場を通じてさらに供給力を強化し、半導体関連需要に対応していく計画である。
3. 県央振興局訪問(諫早市永昌東町)
西九州新幹線の開業を契機に再開発が進む諫早駅周辺地域を視察。
諫早駅東口には、商業施設、ホテル、マンションを含む開発ビル2棟が整備され、都市の景観や利便性が大きく向上した。諫早市では3年連続で転入者が転出者を上回る「社会増」に転じており、地方都市の持続的発展の一つのモデルケースといえる。
4. ウラノ長崎工場(東彼杵郡東彼杵町)
ウラノは、高精度加工技術に特化した製造業者で、5軸加工を駆使して航空宇宙分野や原子力関連装置の製造を行っている。 特に、ボーイング787の主翼材や国際宇宙ステーション、H2ロケットの部品など、難削材加工が求められる高付加価値分野での実績が多い。豊富な設備による24時間稼働体制も強みで、環境変化への対応能力が高い。
総評
今回の視察を通じて、長崎県央地区では高度な製造技術を核とした産業振興が進んでいることを実感した。ソニーのFab-5やウラノ長崎工場は、精密技術やイノベーションの具体例として国内外で競争力を持つ。また、京セラ新工場建設や諫早駅周辺の再開発事業は、産業基盤と地域活性化の両立を目指した取り組みとして今後の動向についても注目したい。
新産業創造委員会では、地域・地方創生再生を実現する、長崎で興すべき新産業、次世代産業について、引き続き考察したい。